毎回、質問の時間を取るのですが、毎回多くの質問が出てきます。
今回特に多かった質問は、「袱紗で清めるという行為について」「お茶の健康」「茶道の歴史」「禅との関わり」「なぜ茶碗を回すのか」などでした。
「清める」という行為には精神的な意味があり、お茶を出すだけなのに、なぜそこに精神性の「清め」が必要なのかという疑問があるようでした。
こうした日本文化の精神性に興味を持っているフランス人は多く、茶道と禅のつながりについての質問も多くいただきます。
また茶事についての質問も結構あり、開催時期や開催理由、時間帯、順序といった、深い質問をされる方も何名かおみえでした。
諸外国ではお客に対するおもてなしは、多くは主人(招く側)の趣味嗜好を楽しんでもらうことが多く、茶道のおもてなしは全く逆で、主人はお招きする客人が喜んでもらえるおもてなしを主とする違いがあります。
今回の茶室ブースの
御軸や茶器、茶杓、お茶碗など、なぜ今回はそれを持ってきたのかといったお話をさせてもらうと、フランスの方々は日本の“おもてなし”の心を感じられたようで、 茶道の奥深さを感じられていました。
今回アンケートを200部用意したのですが、ほとんどの方が書き込んでいただいたので、最終日にはアンケート用紙が無くなってしまうほどでした。
またチェック項目以外の感想欄にもびっしりと書き込んでくれる方も多く、真面目で熱心な方々が多い印象でした。
来られた方々の感想で印象的だったのは、コスプレ、アニメのお祭りとなっている賑やかなジャパンエキスポの会場の中で、「ここだけストイックな空間があるのが新鮮だった」との感想や、「今日私の夢が一つ叶いました。私は茶道を体験するのが夢でした」と話されていました。
普段日本では意識しない当たり前に身近にある日本文化ですが、遠く離れた異国の地で大きな関心を持っていただいている理由と意味を、もう一度見つめ直す良い機会となりました。