ジャパンエキスポにある文化ステージ(400名収容)において、計4回、毎日、日本甲冑武者隊と遠州流茶道が合同でステージを行いました。
過去2回の出演では甲冑の機能説明を行い、議論好きで本格志向の強いフランスの方々に大変好評をいただきました。
そこで今回のテーマは、「武士道」をテーマにサムライの精神部分についてステージを行うことにいたしました。
しかしながら、この「武士道」を30分のステージで伝えるというのが大変難しく、そこで、武士の教養として学ばれた「武家茶道」をテーマにステージを行うことにいたしました。
いつものように私が解説しております
本来茶道は武家文化として発展した歴史がありますが、
近年では日本女性の嗜みとして海外では認識されています。
そこであえて甲冑をまとった姿で、戦国期の茶道を再現してみました。
兜を脱ぎ、刀を外して畳に座ります
フランスでは、サムライの人気は非常に高いのですが、日本文化では、禅と並び、茶道に興味を持っている方が非常に多いです。
今回、その両方が一度にステージを行うということで、来られた観客の方々は大変興味を持ってお越しいただきました。
サムライは戦闘員で荒々しいイメージがあり、茶道は女性の嗜みと思われている茶道は、実は武家文化だったんだという事実に、見ている観客は不思議そうで、また非常に興味深く見ていらっしゃいました。
私たちのステージは毎回満席でした
ステージ終了後の写真撮影
こうした甲冑姿でお茶を飲むというステージは、海外ではあまり見る機会は無いと思います。
今回のステージにあたりまして、遠州流が元々大名の流れということもあり、合同でのステージに際し、ステージ内容の相談にも快諾いただき実現させることができました。
また、甲冑姿でお茶を飲むにあたり、夏のお茶碗では迫力に欠けるため、甲冑に負けない存在感がある瀬戸黒茶碗を、陶芸家の柴田一左衛門氏からお借りいたしました。
特権階級が故に力だけでなく、教養を身に着けなければならなかった当時の武士が、学びだけでなく、文化、芸術へ発展させた「茶道」の歴史を伝えることで、今までの茶道の認識を少しでも変えられたらと思っています。
サムライのステージということで、派手な立ち回りを期待している方もみえましたが、内容が奥深く、日本の伝統文化の再現ということで、非常に高い評価をいただくことができ、大変満足のいくステージとなりました。